1、毛穴と頭皮の状態が大切。
シャンプーの目的は頭皮、毛髪を清潔に保つこと。
付け加えるとリラックス、そして血行促進ですが、薄毛対策で大事なことは毛穴詰まりの解消がとても大切です。
毛穴が詰まることによって炎症を起こしたり栄養が十分にいきわたらなかったり、詰まった皮脂が酸化して抜け毛や頭皮トラブルの原因となります。
正しいシャンプーの仕方を理解して、毎日意識しながらシャンプーをすることがおすすめ。
毛髪に意識が向きがちですが、健康な髪をつくるには毛根、頭皮が大切です。
歯磨きもまったく同じで、歯と歯茎の隙間(頭皮でいうところの毛穴)をしっかり磨かないと歯周病になります。
実際に毛穴まで綺麗にしようと意識してシャンプーする方がどのくらいいるでしょうか。
恐らくですが、ごく少数かと思います。
現在どのようにシャンプーをしているのか思い浮かべてみてください。
しっかり洗えていないと思う…と不安な方は、具体的にどのようにシャンプーをすれば良いか下記手順を参考にしてみてください。
2、シャワーの温度は38℃がベスト。
低すぎても高すぎてもダメです。
まずはシャワーの温度を見直しましょう。
低すぎる温度だと毛穴が開きづらく、毛穴に詰まった汚れが落とせません。
高すぎる温度だと皮脂をとりすぎてしまって乾燥の原因になってしまいます。
シャンプー時のシャワーの適温は38℃くらいがベスト。
冬はぬるく感じてしまう温度ですがシャンプー時はできるだけ適温で流すようにしましょう。
3、シャンプー前に適温のシャワーでしっかり流す。
シャンプー前に適温のシャワーでしっかり流すことで頭皮、髪の汚れは7割ほど落ちると言われています。
食器洗いを思い出してみてください。
お湯でしっかり流すだけで油汚れも溶けますし、ある程度の汚れは落ちますよね。
シャンプー前に簡単にただ髪を濡らすだけではなく余計な皮脂、ほこりや汚れを洗い流すという意識を持って2分ほどしっかりと流してください。
そうすることでシャンプーの洗浄力に頼る前にある程度の汚れを落とせます。
4、良質なシャンプー剤を使う。
ドラッグストアで好きな香りを基準にシャンプーを選んだり、価格重視で安売りしているシャンプーを選んだりしていませんか?
間違ったことではありませんが抜け毛や薄毛対策、健康な頭皮環境や潤いのある髪をつくっていくならおすすめはできません。
ドラッグストアやスーパーで流通しているシャンプーは大半が洗浄力が強すぎて、頭皮に必要な皮脂まで洗い流してしまっています。
シャンプー後の頭皮は皮脂が足りず乾燥してしまっている状態。
乾燥状態なので頭皮の脂が不足していると体が反応して皮脂が分泌されます。
ここで過剰分泌がおこります。
乾燥と過剰分泌、頭皮にとっては最悪のサイクルを繰り返すことになります。
ちなみに、今までに酷い手荒れをしている美容師を見たことはないでしょうか。
美容師の手荒れの原因も繰り返しのシャンプーで脂をとりすぎ、乾燥してしまうからです。
パーマ液、カラー剤など薬剤の影響や、そもそもシャンプー剤が体質と合わないなどその他の要因もありますが、洗浄のしすぎと乾燥がどれほど頭皮や髪に対して影響があるのかイメージしてもらえるかと思います。
しかも、美容室で使っているシャンプー剤は質の高い物を使っているお店が多い、にも関わらずです。
5、正しい頭皮、髪の洗い方。
しっかりと頭皮と髪を流し終えたら次はシャンプーです。まずはシャンプー剤を1プッシュ手に取り、お湯を少し混ぜてしっかり泡立ててください。
しっかりと泡立てたら、最初に髪に泡をつけて揉み洗いをしましょう。
最初に泡を髪につけておかないと、濡れた状態(キューティクルが開いた状態)の髪が擦れ合いダメージの原因になります。
シャンプー前の流しで髪の汚れはほとんど落とせているので軽く洗うくらいで大丈夫です。
※セット剤がついている場合は、ここで1度流しましょう。
次に頭皮です(髪の長さがミディアム、ロングの方はシャンプー剤を1プッシュ追加しましょう)
こめかみ、耳まわり、襟足など生え際から丁寧に、指の腹で擦るように洗ってください。
頭皮を洗う際は絶対に爪を立ててはいけません。
生え際を擦り終えたら両手を使って正中線へ向かって頭全体を擦り洗い、正中線までいったら左右へ少しズラしながら正中線付近もしっかり洗ってください。
全体を洗い終えたら軽くマッサージをしましょう。
自分でやってもあまり気持ち良くはないですが、毛穴に詰まった汚れを浮き立たせる効果があり、血行促進にもなります。
頭皮マッサージは指の腹で揉みだすようにマッサージしてください。
毛穴の角栓を押し出すようなイメージです。
ちなみにブラシなどで頭皮をポンポンと叩いてのマッサージはNGです。
やるなら指の腹を使って弾くように行ってください。
6、時間をかけて、しっかりシャンプーを流す。
簡単にすませてしまいがちですが、すごく大切です。
頭皮にシャワーをしっかりあてて、頭皮から洗い流すイメージで時間をかけて流してください。
泡が流れたらそれでオッケーではないです。
食器洗いを例にすると、洗い終わって流す際にヌメりが残っていないか流しながら指でこすって確認しませんか?
たまにヌメりが残ってるということもあると思います。
シャンプーの流しでも、こういった流し残しがあるということを忘れないでください。
シャンプーのすすぎが甘いと当然ですが頭皮や髪には悪影響しかありません。
7、リンスやトリートメントは頭皮につけない
リンスの目的は髪の表面のコーティング、トリートメントは髪の栄養補給。
どちらとも頭皮ではなく髪に対して効果を求めるものなので、頭皮にはつけないようにしてください。
そして流す際も頭皮に残らないようにしっかりと流してください。
8、必ず乾かす。乾かしすぎには注意。
「自然乾燥はダメージを与えないから髪に良い」と聞いたことはないでしょうか。
実際は自然乾燥よりも早めにドライヤーで乾かした方が良いです。
ショートスタイルでも必ず乾かしてください。
湿った状態の頭皮は雑菌が繁殖しやすいので痒みや湿疹、炎症や匂いの原因になります。
濡れた髪の毛はキューティクルが開いた状態です。
キューティクルが開いた状態のままだと水分が蒸発して、パサつきやうねりなどの原因になります。
また、乾かしすぎも気をつけてください。
乾燥することで頭皮は痒みの原因、髪の毛はパサつきや広がりの原因になります。
乾かし終わってから頭皮には育毛剤を、髪の毛にはアウトバストリートメントやオイルをつけてください。
大体の育毛剤には保湿効果があります。
育毛剤で頭皮に潤いを与え、皮脂の過剰分泌にも効果があります。
9、正しいシャンプーの選び方。
正しいシャンプー選びは頭皮の状態(乾燥、敏感、脂性)に合わせた洗浄力や刺激の強さ、髪の長さ、洗いあがりを基準に選ぶことをおすすめします。
後述する界面活性剤の種類と特徴に照らし合わせて、使ってみたいと思うシャンプーを選んでください。
今は質の高いシャンプーがネットで気軽に買える時代ですが、どれだけクオリティーが高いシャンプーでも、使ってみないと合うか合わないかは分かりません。
質の高いシャンプーでも万人に受け入れられることはなく「価格が高いから良い」とは限りません。
シャンプー選びで失敗する可能性を下げるために、界面活性剤の特徴をシャンプー選びの参考にしてみてください。
界面活性剤 | 洗浄力 | 刺激 | 頭皮の状態 | 髪の長さ | 洗いあがり |
---|---|---|---|---|---|
高級アルコール系 | 強い | 強い | 脂性向け | ショート~ミディアム向け | さっぱり |
アミノ酸系 | 弱い | 弱い | 乾燥、敏感向け | ミディアム~ロング向け | しっとり |
石鹸系 | 強い | 弱い | 脂性、敏感向け | ショート向け | さっぱり |
ベタイン系 | 弱い | 弱い | 乾燥、敏感向け | ミディアム~ロング向け | しっとり |
勘違いされやすいですが「高級」は「高価」ということではなく「分子の大きさ」を意味しています。
一般的なシャンプーに使われることが多い成分で「ラウリル硫酸ナトリウム」「ラウレス硫酸ナトリウム」「ラウレス硫酸アンモニウム」「ラウリルエーテル硫酸ナトリウム」「オレフィンスルホン酸Na」などが使われています。
特徴は泡立ちが良く脱脂力、洗浄力が強く、安価ということ。
流通量が最も多いシャンプーなので、使っている方も多いと思います。
デメリットとなるのは洗浄力、脱脂力の強さによる刺激や乾燥です。
乾燥肌や敏感肌の方は注意が必要です。
アミノ酸系シャンプーの特徴は皮脂を取りすぎず、パサつきが少ない、低刺激で保湿力が高いところにあります。
半面、洗浄力が足りずに頑固な汚れは落としきれないなどのデメリットもあります。
乾燥肌、敏感肌の方は使い心地が良いかもしれません。
成分表示には「ラウロイルメチルアラニンNa」「ラウロイルグルタミン酸」「ココイルグルタミン酸TEA」「ココイルアラニンTEA」などと記載されています。
コストが高めでサロン専売シャンプーとして流通していますが、最近では意識の高まりと共に市販品でもアミノ酸系が増えてきています。
石鹸と聞くと肌に優しいイメージがあるため、石鹸系シャンプーにも良いイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。
実際に環境に優しく添加物などは使用していない商品が多いので低刺激ですが、洗浄力が強いので乾燥肌の人は気をつけてください。
使用感は余計な物を配合していないため、パサつきやキシみが気になります。
ショートヘアの男性は相性が良いかもしれません。
アミノ酸系シャンプーとよく比較されるベタイン系シャンプー。
成分表記は「コカミドプロピルベタイン」「ラウラミドプロピルベタイン」「パーム核脂肪酸アミドプロピルベタイン」「ラウリルベタイン」「ココアンホ酢酸」など。
使用感は洗浄力も強すぎず低刺激なので乾燥肌や敏感肌の方と相性が良いです。
パサつきやキシみも少なく、しっとりした洗いあがりです。
こちらもコストが高めでサロン専売シャンプーとして流通していることが多いです。